今年の杉玉が完成し、掛け替えを行いました。
杉玉は酒林(さかばやし)とも呼ばれ、球状の骨組みに杉の葉を挿して作ります。
杉玉の発祥とされるのが、奈良県桜井市三輪にある日本最古の神社とも言われている大神(おおみわ)神社で、古くからお酒の神様を祭る神社として知られいます。大神神社では毎年11月に醸造安全祈願祭が開催されます。そこで、美味しい酒造りを願い、拝殿にご神体である三輪山の杉の葉を使用して作られた直径1.5m、重さ200kgもある大きな杉玉が飾られます。
醸造安全と美味しい酒造りを願う縁起物として作られていた杉玉は、江戸時代から徐々に全国の酒蔵や酒屋などに伝わりました。現代では青々とした新しい杉玉が吊るされるのは、新酒の出来上がりを告げる風物詩としての役割を持っています。
鮮やかな緑色の杉玉は「できたての【新酒】」を、緑色から徐々に茶色く渋い色味へと変化していく杉玉は「新酒の【熟成】の度合い」を伝えてくれます。
今年の杉玉作りは、ベテラン・蔵長の技術やノウハウの継承を行うべく、蔵長指導の下、若手の従業員が挑戦しました。
一度目は杉の量が足りず、途中で崩壊してしまいました。
そして二度目のチャレンジ。
綺麗な球状を作り出すのに苦戦しながらも、立派な杉玉が完成しました。
蔵元独自の日本酒造りの伝統と技が伝え受け継がれているように、杉玉作りもそれぞれの蔵元で継承されてきた方法で作られています。
「柏露酒造の日本酒造り」とともに「柏露酒造の杉玉作り」も後世へと大切に引き継がれていきます。
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今年も無事に新酒ができたことに感謝し、これからも皆さまに「愛される旨い酒」をお届けできるよう尽力して参ります。